コンピュータ大貧民の研究報告を読む。④

「提出手比較による大貧民プレイスタイル解析」
は、同一局面に対して何を提出するか、を比較することで、
プレイスタイルの違いを明らかにすることを目的とした研究。
http://id.nii.ac.jp/1001/00082814/

研究報告の中での実験環境としては、
ある一つのクライアントを中継サーバとして、中継サーバに比較したいクライアントを2つ接続。
2つのうち片方のみの提出手を本サーバに通知する一方で、
提出手を比較していく、という手法を取っている。

実験に使用しているのは
fumiya(MC法)
fumiyaの改良版であるsnowl
・snowlの改良版であるcrow
・公式サイト配布のdefault
の4種である。

詳細は研究報告を参照いただきたいが、例えば、
・snowlは「しばり」を多用する。
・snowlは空場で階段を出せるときに階段を出すため、defaultと一致率が高くなる。
・snowlはペアや階段役を崩してでも、弱いカードから提出する傾向がある。
といったプレイスタイルの分析に成功している。

この研究の中でも、今後の課題として、
・細かな場合分けによる提出手の傾向分析
・より詳細な解析による要所や定石を明らかにする
ことがあげられている。

自分も、ここに少し挑戦してみたい。

ということで、自作大貧民サーバに手を加えて、
比較クライアントが参加できるようなものに改造した。
サーバにゲーム履歴を出力させるのと同時に、
比較クライアントたちの提出手も出力させていく。

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(試合はkou2×5で比較用に5つクライアントに提出手をもらって出力している様子。番号があっていないが、kou2の1つがC5を出したところ、defaultはSHD-7のペアを、PartyがD3を、…と出力されている。毎回手札が変わるとクライアント側でなんか変な挙動を起こしそうなので、固定のkou2と比較をずっとしている。そもそも、「提出したはずの手がゲームに反映されない」状況が続いても、ちゃんと動いているのか不安がある。)

履歴と突き合せれば、ゲームの局面がわかるので
どんな状況で一致傾向にあるのか、あるいは
手が異なってくるのか、なども分析できそう。

でも要所や定石とは、どうやって分析すればいいのかな。
手札の似てる・似てないみたいのが分からないといけないだろか。

とりまえず、簡単にできそうなところから実験をやってみたい。