交流②

コイルのインダクタンスL[H]のとき、自己誘導起電力は次の式。
e=-L\frac{\Delta I}{\Delta t}
電流の変化による磁束の変化を妨げるような起電力。
つまり交流電流を流すと、こいつがなにか作用をするということ。

コイルだけの交流回路を考えたとき
v+e=0
より
v=L\frac{\Delta I}{\Delta t}

i=\sqrt{2}I\sin{\omega t}
を代入すれば、t微分して
v=\sqrt{2}I\omega L\cos{\omega t}
ということで、電流は電圧より位相が遅れる。

vの実効値Vとすると
\frac{V}{I}=\omega L
オームの法則でいう抵抗にあたるものだが、交流におけるコイル・コンデンサに対するこれをリアクタンスという。
X_L=\omega L

一方、静電容量Cコンデンサについても、同じように考えることができて、
Q=CV_C
とキルヒホッフの第二法則でコイルと同じように
v=\frac{Q}{C}
という式が作れる。
ここで電流は
i=\frac{\Delta Q}{\Delta t}
で表されるので、上式と合わせて微分すると
i=\frac{\Delta Cv}{\Delta t}=\frac{\Delta \sqrt{2}CV\sin{\omega t}}{\Delta t}=\sqrt{2}\omega CV\cos{\omega t}
ということで、こちらは電流は電圧よし位相が進む。

同じように実効値を見ると
\frac{V}{I}=\frac{1}{\omega C}
なので、コンデンサのリアクタンスは
X_C=\frac{1}{\omega C}

では抵抗Rと、コイル、コンデンサが直列につながった回路はどうなるか。
こう、リアクタンスと抵抗とを一緒に考えた抵抗値を、インピーダンスという。
微妙な意味合いの違い、言葉の違い、ややこしい。
\dot{Z}=R+jX=R+j(X_L-X_C)
抵抗は実数部、リアクタンスは虚数部を使って表現する。
ベクトル表示においてjを書けることは\pi/2進め、-j書けることは遅らせることと対応させることができる、ということらしい。

で、インピーダンスの大きさは
|\dot{Z}|=\sqrt{R^2+(X_L-X_C)^2}
で計算できる。良かったね。

で、ちなみにX_L-X_C=0のとき、直列共振という。そのときの周波数を、直列共振周波数という。リアクタンス成分が0ということである。